「負けず嫌い」という言葉、よく考えると少し変だと思いませんか? 「負けず」とは、負けないことですから、「負けないのが嫌い」と、本来とは逆の意味になっています。このように、論理的に破綻している日本語はまま見受けられますが、「負けたくない」という気持ちがそれほどまでに強いということでしょう。ところであなたは勝負に挑むとき、「勝ちたい」と思いますか? それとも、「負けたくない」と思いますか? この2つの気持ちは、同じようでいて違う、と言われています。
負けたくない、と思う人は、戦っている最中に「負けたら恥ずかしい、みんなが応援してくれているのに勝てなかったらどうしよう」という気持ちに陥りがちです。すると、緊張したり萎縮してしまい、普段と同じことができなくなってしまいます。これに対して、勝ちたいと思う人は、「勝てたらすごく嬉しい、きっと素晴らしい結果や報酬が待っているだろう」というポジティブな未来を想像して勝負に挑みます。
このように「負けず嫌い」というと、精神的に追い詰められたり、大変そうな負のイメージがあります。それより、勝ちたい、と前向きに考えて勝負に挑んだほうが、ポジティブで良い結果につながりそうです。
「負けず嫌い」は、「勝気」というより一歩引いた感じで使われることも多いようですが、就職などで負けず嫌いをアピールすると、気が強い、張り合ってくる、意固地、と取られかねないから、向上心が強い、努力家、と言い換えたほうがいいという意見もあります。負けず嫌いという言葉は、勝ち負けの結果にこだわっている印象が強いのかもしれません。
活躍している人を思い浮かべると、自分を信じてその対戦自体を楽しみ、結果は後からついてきているような気がします。同じ努力でも、前向きな努力で、楽しんで毎日を過ごしていけたらいいですね。