人生設計を考えるうえで、家計管理は欠かせません。家計管理といえば、家計簿を思い浮かべるでしょうか。昔ながらの紙だけでなくアプリの家計簿もあり便利になりました。それでも、記録し続けるのは難しいものです。ところで、家計簿はどういった目的で利用されているのでしょうか。多くの場合「支出の内訳を記録し貯蓄形成に役立てるため」だと思います。ところが家計簿をつけていても、貯蓄額を正確に把握している人は意外と少ないようです。また、家計の見直しに活用されず、単なる支出の記録になってしまっていることも。それならば、いっそ貯蓄額に対しダイレクトに注目し、「貯蓄簿」または「貯金簿」をつけてみてはどうでしょうか。
貯蓄簿のつけ方は、例えばこうです。まず毎月、給料日、1日、月末など、決まった日を設定します。そしてその日の銀行預金や貯蓄性のある保険の残高を記入します。ある月の手取り収入が35万で、前月の貯蓄残高から比べ今月の貯蓄残高が7万円増えていたとします。すると、収入35万円のうち、28万円が何らかに使われた支出、7万円が使わなかった分だと分かります。支出の中身を知りたければ、保管しておいたレシート、カードの明細、通帳の引き落とし記録などで知ることができます。もっと詳しく支出を分析したいなら、しばらくの間家計簿をつけてみてもいいでしょう。
ある程度ペースをつかんだら、年数回の記録でも大丈夫です。会社員ならボーナス月の年2回、ボーナスが無い場合は3ヵ月に1度程度記録すれば全体像をつかみやすくなります。年金生活の場合、資産の減り方をコントロールするため、もう少しこまめな記録がおすすめです。年金が支給される偶数月、つまり年6回つけてみてはどうでしょうか。家計管理をする理由を自分なりに考え、できるだけシンプルな方法を実践していくのが、上手な資産管理のコツといえます。