あやし皮膚科クリニック病院だより

第94回 水虫薬の塗り方にはコツがあった!?

こんにちは、理事長の工藤です。

前号では、「にきびは皮膚科の病気です」についてお話しました。

今回は「水虫薬の塗り方にはコツがあった!?」についてお話します。

 あなたやあなたの家族で水虫で苦労されている方もいらっしゃるかも知れませんね。塗り方にコツがあるのをご存じでしょうか?このコツを知らないとせっかく塗ってもなかなか治らなかったり、治ったと思ってもすぐ再発してしまう可能性があります。ですので覚えていた方がお得だと思います。以下にまとめますね。水虫の方は早速これらに注意して外用してみてください。 

・塗る回数は?:1日1回です。早く治したい、との思いから1日3回も4回も塗る方もいらっしゃいますが、効果は変わりません。1日1回で十分です。 

・塗るタイミングは?:基本的にいつでもよいです。しかし、お風呂上がりは足のうらの角質が柔らかくなっておりお薬が浸透しやすいです。ですので、入浴後」に外用するのが効果的です。

 ・塗る範囲は?:これはご存じない方も多いのですが、かなり重要です!水虫は、実際の見た目より広い範囲に繁殖しています。見た目に「皮がむけている」範囲だけではなく、その周りの、一見正常に見える皮膚にも菌が沢山いるんです。ですので、見た目の皮がむけているところだけ塗っても、周りの菌が再増殖し、結局なおらなかったり、再発してしまいます。見た目より、ひとまわりもふたまわりも広く塗る必要があります。とにかく、「広め広めに」外用した方がよいです。でないと菌が生き残っていつまでたっても治らなかったり再発してしまいます。 

・塗る方向は?:水虫菌は見た目よりひとまわりもふたまわりも広い範囲にいます。ですので、菌の拡散を防ぐためにも、外側から囲い込むように、中心部へ向かって、うずまきを描くように塗ると良いと言われています。 

・塗る期間は?:最低1ヶ月です。水虫は、塗り始めて2週間くらいで一見よくなって、治ってしまったように見えてしまうことがあります。そこで塗るのをやめてしまうと実は菌が生き残っていて再発してしまう、という訳です。1~3ヵ月は外用した方が良いでしょう。 

・水虫でない方の足はどうするのか?:水虫が片足だけの場合、水虫でない方の足にも1週間に1回くらいはお薬を塗ると、感染を予防できる、と言われています。週に1回は水虫のいない足にも塗り薬を塗りましょう。

 案外、水虫薬の塗り方ひとつでも奥が深いですよね。御自分が水虫でなくても、ご家族や知人が水虫である場合は 是非、伝えてあげてください。