こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「『水いぼ』はどうやって治療するのですか?」についてお話しました。
今回は、「食物アレルギーを心配する患者さんが間違いやすいポイント」を解説します。これを知っておくと、無駄な検査をする必要がなくなるので、検査にかかるお金の節約になります。
■「食物アレルギーを心配する患者さんが間違いやすいポイント」
アトピーなどで、食物アレルギーを心配される方の多くは、普段食べることのないような食べ物まで何でもかんでも「アレルギーの原因なんじゃないのか?」と不安に思ってしまうようです。しかし主な食物アレルギーの原因は限られています。それらを知ることで、可能性の高いものから順にアレルギーを疑っていけば効率が良いです。以下が原因食物の一覧です。
・主な食物アレルギーの原因
そば、ピーナッツ、
牛乳、卵白、小麦、
大豆、ゴマ、魚介類、果物野菜
これらの食物が、食物アレルギーの「90%以上」を占めます!ですから、まずは、頻度の高いこれらの食物から順に疑ってみてください。この表をみて、「なんだ、ほとんどの食べ物が含まれてるじゃないか」と思った方もいらっしゃるかも知れません。しかし・・・良く見てみると・・・多くの人が日常的に摂取している「お肉類」が含まれていないことにお気付きでしょうか。お子さんの「牛肉アレルギー、豚肉アレルギー、鶏肉アレルギー」を心配して、来院されるお母さんもいらっしゃいます。もちろん、実際にお肉アレルギーの患者さんも、いらっしゃるのですが・・・
まず最初の時点では、上記の表を見て、可能性の高いものから疑っていった方が効率が良いと思います。
さらにさらに、上記の原因物質を絞りこみやすくする方法があります。それは、患者さんの年齢です。実は、年齢によって、アレルギーの原因となる食べ物が異なるんです。以下にその一覧を挙げます。
・年代別 頻度の高い食物アレルギーの原因乳
幼児:牛乳、卵白
小児 :小麦、大豆、ゴマ、そば、ピーナッツ
成人 :魚介類、果物、野菜、そば、ピーナッツ
ちなみに、大まかにですが、「乳幼児」は小学校就学前まで、「小児」は小学生から中学生まで「成人」は高校生以上というくくりでご理解ください。
ですから、「成人であるあなた自身」が食物アレルギーを心配しているのであれば、小麦や卵よりも、魚、野菜、果物、そば、ピーナッツなどに気を付けてみた方が効率が良いです。また、「幼稚園や保育園のお子さん」だったら、魚や果物などのアレルギーを疑う前に、牛乳や卵白のアレルギーを疑った方がよいでしょう。これを知っておくだけで、無駄なお金と労力を使わずに済みます。また、アトピーの悪化要因として、食べ物を考える時も役立つと思います。