あやし皮膚科クリニック病院だより

第87回 「水いぼ」ってなんですか?

こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「虫刺されで皮膚科行っても良いんですか?」についてお話しました。

今回は「『水いぼ』ってなんですか?」についてお話します。

■「水いぼ」ってご存知ですか?

”あせも”より、ひと回り大きいイボがプツプツと体に沢山できる病気です。特に夏の時期に多いです。水いぼとは、正式には、「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と言います。ポックスウイルス科に属する、伝染性軟属種ウイルスが原因です。ウイルスが原因なのでうつって増えてしまうことが多いです。3歳から15歳前後のお子さんによく見られます。大人は免疫があるので、基本的にうつることはありませんが免疫ができていない子供同士では感染してしまいます。
症状は、数ミリ大のやわらかいいぼで、光沢があるのが特徴です。一度できると数か月から数年消えないこともあります。ほおっておくと、どんどん数が増えてくる場合もあります。なので、「テカっていて、1か月たっても消えないぷつぷつ」が増えてきていたら、それは”あせも”ではなくて「水いぼ」かも知れません。一度かかりつけの病院に相談してみると良いでしょう。

■「水いぼ」はプールでうつるのですか?

水いぼは、基本的には痛みやかゆみは少ないのですが乾燥肌やアトピーがあるお子さんの場合だと、かゆみを伴うことがあります。
水いぼの1個1個のプツプツの中にはウイルスが入っています。水いぼをかき壊してしまい、その手で他の場所をかいたり触ってしまうと、ウイルスがうつって増えてしまいます。
潜伏期間は約2週間~2か月です。そのため、お兄ちゃんが水いぼになって1~2か月してから、弟さんや妹さんにも水いぼが出てきた、ということはよくありますので注意してください。

感染経路は、接触感染です。プールなど、肌と肌が直接触れ合うことによってうつります。
タオルやビート板を共有し、うつることもあります。よく、「お風呂やプールは入って良いのでしょうか?」と聞かれますが、基本的に水そのものからはうつりません。なので、同じプールに入っただけ、お風呂に入っただけ、ではうつりませんので安心してください。ただし、直接水いぼのお子さんと触れ合うとうつってしまう可能性があるので注意が必要です。施設さんや学校さんによって、水いぼでもプールに入ってよい、というところもあれば、水いぼのお子さんはプールが禁止、または専用の小さいプールに入る、などの措置が取られている施設もあります。

それぞれの施設によって対応が異なるので保育園、幼稚園、小学校などに確認してみるとよいでしょう。

では、この「水いぼ」ができたらどのようにすればよいのでしょうか?次回は治療法についてお話ししていきます。