こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「おなかの金属アレルギー」についてお話しました。
今回は「虫刺され」についてお話します。
この内容は以前もお話したのですが、この時期「虫刺され」に悩まされる方も多いと思うので、もう一度ご紹介します。
■えっ、虫刺されで皮膚科行っても良いんですか？
夏は虫刺されの季節です。
毎年たくさんの患者さんが虫刺されで、私のクリニックにもいらっしゃいます。
「えっ、虫刺され程度で皮膚科に行っても良いんですか？」という質問もよく受けます。結論から言ってしまうと、虫刺されで皮膚科に行っても「良いんです」。皮膚科学の分野では「虫刺症（ちゅうししょう）」という、立派な病名がついています。
実際のところ、「虫刺されで皮膚科に行く」という選択肢は、なかなか思いつかないかも知れませんね。
■ある日の診察室で・・・
夏になると、診療室でよくあるパターンです。
他の皮膚病で通院中のお子さんの肌を診察しているときに、腕やすねに真っ赤に腫れた虫刺されの症状を、たまたま見つけてしまうことがよくあります。
しかし、虫刺されについて、その子のお母さんからは何も訴えがないので、「あれ？ここは虫刺されですか？」と聞くと、そこで初めて、「そうなんです、たくさん虫にさされてしまて・・・。」という返事が返ってきたりします。
お母さんによっては、ちょっと焦った感じで、「いえ、これはちょっと虫に刺されただけなんで・・・」と言って、申し訳なさそうに患部を隠そうとする場合もあります。でも、症状をみると、結構赤くなっていて、お子さん本人はかなり痒そうだったりします。そういうお母さんに「虫刺されのお薬処方しましょうか？」と聞くと、「えっそんなのあるんですか？」とか「えっ、いいんですか！」という反応をされる方が多いです。もちろん、これは別にそのお母さんが悪い訳ではありません。
・虫刺されは、皮膚科を受診するような病気ではない
・そもそも病院では虫刺されに効くお薬などない
・虫刺されごときで、皮膚科の先生に診てもらうのは悪い
という「誤解」や「遠慮」があるようです。
皮膚科では、症状に応じて外用薬や内服薬など、お薬を処方することができます。
今年も、患者さんから「市販のお薬よりずっと効きました。助かりました」というお声をいただいております。虫刺されであっても、これからはあまり遠慮せずに、一度、皮膚科医に相談してみてくださいね。
また、今年の夏は当院で「アロマ虫よけスプレーづくり講座」を開催しております。「化学物質が入っていない虫よけスプレー」や「アロマ」に興味のある方は、ぜひ当院までお問い合わせください。