あやし皮膚科クリニック病院だより

第125回 『「水いぼ」はどうやって治療するのですか?』

こんにちは、理事長の工藤です。「注意!あなたの足は本当に水虫ですか?」についてお話ししました。今回は、「『水いぼ』はどうやって治療するのですか?」という内容です。

■「水いぼ」はどうやって治療するのですか?

今日は水いぼ(=伝染性軟属腫)の治療法を説明しましょう。

もっとも多く行われている方法は、水いぼ用のピンセットで水いぼを1個1個つまんで除去していく、という方法です。なんだかずいぶん原始的ですね。この治療法だと、ピンセットで皮膚がつままれることになるのでかなり痛いです。そのため、最近では、麻酔薬がしみこんだシール(商品名:ペンレス)を使用する治療法が主流です。まず、1個1個の水いぼの上に、この麻酔シールを貼ります。そして1時間程度時間を置いてからこのシールを剥がします。そして、水いぼをピンセットでつまんで取ります。麻酔シールを貼った部分は皮膚の感覚がなくなっているので、あまり痛みを感じずに水いぼを取ることができます。

私も以前、この麻酔シールの効果を実感するために、ためしに自分の手に貼ってみたことがあります。1時間~2時間くらい経ってはがしてみたところつねってもひっかいてもまったく痛みを感じなくなっていました。なかなかの効き目でびっくりしました!

ただ、お子さんによっては麻酔のシールを貼っても痛がってしまうこともあります。その原因は以下のようなものが考えられます。

・水いぼが感染を起こして腫れていると、麻酔シールをしても痛い

・麻酔シールの聞き具合には個人差があり効きにくい人もいる。

・水いぼの大きさが大きいと、麻酔シールをしても痛い

・水いぼそっくりの別の病気である場合があり、間違ってそこをつまむと麻酔をしていても痛い 

この治療の他に、ぬり薬や貼り薬、飲み薬などを使って治療する方法もあります。いろいろな方法がありますが、たとえば、消毒薬のイソジン(消毒薬)を使う方法。あるいは、イソジン(消毒薬)にスピール膏(皮膚をやわらかくするシート)を貼って治療する方法。他には、40%硝酸銀(劇薬)をぬる治療や、凍結療法(液体窒素で凍らせる)などもあります。飲薬では、漢方薬の「ヨクイニン」を内服する、という方法もあります。これらの方法でうまく治療すると、ピンセットでつまんでとるより、よほど痛みがなく治癒までいたる場合もあります。いずれしろ、「この方法が一番!」という方法はなく、治療効果は、個人差があります。ご自分にあう治療法を探してみると良いでしょう。 

当院では、「麻酔のシールを貼って除去する方法」と「イソジンにスピール膏を貼って治療する方法」も行っています。「水いぼ」ができたら、まずはお近くの皮膚科に相談してみてください。