将来の自分に投資しよう、と考えたとき、何から手をつけますか? 資格試験の勉強を始めるのもいいのですが、「睡眠」と「運動」こそ一番に行うべき投資だと言われています。
現代社会では、多くの人が慢性的な寝不足状態に陥っています。睡眠不足は現在の体調を左右するだけでなく、将来の認知症リスクを高める、という説もあります。脳を使うと、認知症の原因になるといわれている物質「アミロイドβ」が発生しますが、睡眠中に脳内のアミロイドβは洗い流されます。ところが、睡眠時間が短いと十分に流しきれず、蓄積量が増えていくというのです。
睡眠不足は、集中力や注意力といった脳の認知機能をすべて低下させ、勉強や仕事の効率も落ちてしまいます。毎日6時間未満の睡眠時間だと、徹夜明けと同程度の仕事しかこなせない、という研究データもあります。
睡眠不足は、寝だめでは解消できません。寝だめより、1日6時間以上の睡眠時間を確保できるよう、いつもより1時間早く寝るのが効果的です。
運動も、体にとって大切な要素です。疲れていると「さらに疲れてしまう」と思い運動を避けがちですが、それは逆効果。30分以上の有酸素運動をすると成長ホルモンが分泌され、疲労が解消されるのです。そのうえ、記憶能力、集中力、モチベーションなどは、運動を行った直後から高まる即効性があると言います。
週に150分程度の運動をすると、睡眠の質は65%アップし、疲労感が減るともいわれます。まずは、週に1~2回、軽い運動をすることから始めてみましょう。
人生100年時代を楽しく生きるには、健康寿命を伸ばすことが大切です。睡眠と運動は、脳と体をベストな状態に保つために欠かせません。この2つを十分意識することこそが、最大の自己投資といえます。