あやし皮膚科クリニック病院だより

ワクワクや幸せを感じることをしよう 「脳を育てて、活発にする」

年齢を重ねるとともに脳は少しずつ萎縮し、認知機能も低下していきます。しかし一方で、脳は何歳になっても成長させられます。具体的には、側頭葉の中にある「海馬」。脳を使えば使うほど海馬の回路が増加し、能力が高くなります。脳は育てることができるのです。

 さて、脳を育てると聞くと、「脳トレ」を思い浮かべるかもしれません。クイズに挑戦したり、有酸素運動を行なったり、歩きながら数を数えるなど同時に2つのことを行う「デュアルタスク」など。もちろん、それらも脳を健康に保つには有効ですが、最近では、心の状態が脳に与える影響のほうが大きいことがわかっています。

 たとえば、ストレスは海馬を萎縮させます。海馬が萎縮すると認知症のリスクが大きくなるだけでなく、気分が沈んだりうつ状態になったりします。逆に、ワクワクしたりドキドキしたり、幸せと感じたりすると、ドーパミンが分泌され、脳を活性化してくれます。つまり、楽しいと感じることで脳を育てられるのです。具体的には、自分が没頭できる時間を持つこと。好きなこと、夢中になれることがあると、気分がすっきりします。ストレスが解消できて、脳も若々しくなるのです。

 楽しくて時間があっという間にたってしまうという趣味があれば、それを続けましょう。一方、趣味を持っていない人は、暮らしの中で楽しいと感じる時間を増やせばOK。興味を少しでも持ったことには挑戦してみるのもおすすめです。それが生涯の趣味になるかもしれません。逆に、一度体験してみたものの長続きせず、1~2回でやめてしまったというのでも構いません。まずは何でも手を出してみることが大事です。

 趣味の時間を持つにあたってポイントがあります。できれば、朝や午前中に趣味を楽しみましょう。趣味を楽しんで心地よくなった状態で1日を過ごせば、その日1日が安定し、プラスの過ごし方ができるはずです。