過去や未来のことを考えすぎると、感情がネガティブな方向に進み、モヤモヤが大きくなっていきます。それは、「頭の中で考えた世界」と「現実」を一緒にしてしまっているからかもしれません。
人間は、イメージと現実を脳内の同じ分野で処理するため、頭の中にあるイメージが良いものでも悪いものでも、それを現実と思ってしまいがちなんだそうです。このように、イメージと現実が結びついた状態を「フュージョン」と呼び、フュージョンから抜け出し、「今」だけにしっかり心を向けることを「脱フュージョン」と呼ぶそうです。
そんな脱フュージョンの方法として有名なのが、「呼吸法」や「瞑想」です。瞑想と聞くと難しそうですが、基本的にはゆっくり呼吸を繰り返すだけ。息がお腹の中に出入りするのを感じながら、意識を呼吸に集中します。最初のうちは雑念が浮かんでくるかもしれませんが、気にせず「呼吸、呼吸」と心の中で唱えて意識を戻していきましょう。座って目を閉じて……だけが瞑想法ではありません。ゆっくり歩きながらなど、好みのスタイルで瞑想しましょう。
ネガティブな考えが浮かんだら、「~と考えた」と付け足す脱フュージョンの方法もあります。たとえば「きっと失敗する」と思ったら、その後に「と考えた」と付け足し、繰り返しつぶやきます。「きっと失敗する」というのは、自分が考えている妄想で現実ではありません。そのことに気がつけば、気持ちが軽くなるはずです。
他にもイメージと現実の自分の間に距離をとって区別する方法は、色々あります。「ネガティブな思考をわざとゆっくりしゃべる」「適当な歌にする」「キャラクターの声でしゃべる」「アナウンサーのように実況する」 など。たいした悩みではなかった、と気づくことができれば、脱フュージョンは大成功です。