こんにちは、理事長の工藤です。
前号では「ストレスで皮膚病は悪化・発症する」についてお話しました。
今回は「紫外線は曇りの日の方が危険!?」についてお話します。
紫外線の「基礎知識」をしっかり知ることによって、紫外線対策への「意識」がだいぶ変わってくるはずです。ではさっそく、「しみ」、「しわ」を作らないために紫外線の基礎知識から一緒に学んでいきましょう。
■「曇りの日は紫外線は出てないって本当ですか?」
うーん。これはウソです。確かに、雲は太陽の光をさえぎります。ですから、基本的には雲の量が多いと、太陽光が遮られるため、紫外線の影響は少なくなります。「なるほど。じゃあ今日は曇ってて日差しが強くないから、紫外線対策はいらないんですね!」と思うのは・・・ちょっと待ってください。ここでひとつ質問です。「曇りの日」は、「(雲ひとつない)快晴の日」と比べて、何%くらいの紫外線が出ているでしょうか?気象庁による、1997年~2003年の紫外線量のデータから算出した「天候と紫外線の影響度の関係」を以下に示します。快晴:100%晴れ: 92%薄曇: 87%曇り: 60%雨 : 32%なんと。曇りの天気であっても、快晴の日と比べて、実に「60~90%」もの紫外線の影響があるんですね!「このことからわかるように、曇りの日でも紫外線はしっかり降り注いでいます!ですから、「今日は日差しが強くないから、紫外線対策はいいや!」と思わずに、「今日は曇りだけど、晴れの日と同じようにしっかり紫外線対策をしよう!」と心掛けることが大事です。
■むしろ雲がお肌に悪さをすることも!?
先ほどお話したように、雲は(多少は)太陽の光をさえぎってくれます。しかし、これは、あくまで雲が直接、太陽光線をさえぎっているときのお話です。これとは逆に、雲が紫外線の影響を強めてしまうこともあります。それが「散乱」です。雲が太陽を直接覆わずに、「太陽のそばに雲があるだけの状態」だと、太陽光が雲で「散乱」してしまいます。その結果、我々が浴びる紫外線の影響が増してしまうんです。1996年の報告です。「太陽自体には雲はかかっていないが、太陽の近くに雲が存在する状態」の時、「快晴の日より25%も紫外線の量が増した」という観測があります。これはまさしく、太陽光を雲が「散乱」させてしまったことにより、紫外線量が増加してしまったんですね。雲の「散乱効果」おそるべしです。つまり「太陽が出ているけど、周りは雲だらけ」という日が、一番お肌に悪いということです!雲のあいだから、太陽が顔を出しているような日こそ、どうやらもっとも注意すべき日のようです。
「天候にかかわらずに紫外線対策をする」ことの重要性がご理解いただけましたでしょうか。 曇りの日もきちんと紫外線対策を心掛けましょう!そして「しみ」「しわ」を予防して、より美しいお肌を手にいれましょう!