こんにちは、理事長の工藤です。
前号では「水虫薬の塗り方にはコツがあった!?」についてお話しました。
今回は「ストレスで皮膚病は悪化・発症する」についてお話します。
■ストレスで皮膚病は悪化・発症する
皮膚の病気は「精神的なストレス」や「疲れ」などと非常に関係が深いです。もちろん、それが全てではありませんが患者さんと日々接している感触からすると、実際に、西洋医学で一般的に言われているよりもずっとずっと深く、メンタルと皮膚病は関連していると感じます。
職場の部署が移動になったり、遠方へ転勤になって、急に体に湿疹がでる方も多いです。
また、嫁姑関係や、友人関係、学校での問題、妊娠や子育ての問題などで、皮膚症状がでる方もいます。無理して頑張りすぎている方や、ストレスを感じつつも、黙って我慢しながら生活している方に多いようです。私自身もストレスや疲れているときに皮膚の症状が出たことが何度もあるので、よくわかります。
実際に診察をしていて、「明らかに精神的なストレスから皮膚の症状が発症しているなぁ」と感じ、患者さんに「何か疲れていたり、ストレスはありませんか?」と聞くと答えは2つに分かれます。ひとつは、「そうなんです、実はすごくストレスがあって・・」という場合。もう一つは「えっ、全然ストレスなんか無いですね。」という場合です。
■まずは「ストレスがある」ことを自覚しましょう!
明らかにストレスが原因で皮膚病が悪化している患者さんに「何かストレスや疲れがありますか?」と聞いたときに、キョトンとした感じで、「えっ、何もストレスなんかないですけど」という方も少なくありません。ストレスがあることを自分で認識できていないため正直、ちょっと心配になります。皮膚(からだ)は明らかに「ストレスがたまっているよ!」と教えてくれているのですが、本人に自覚がありません。すると、本人は「まだまだ大丈夫!」とさらにストレスがたまる方向へ行動を増してしまう危険があります。皮膚の病気は発症すると「厄介なもの」と考えがちです。しかし、それが大事なカラダやココロからのメッセージである場合もあります。
さらに注意すべき点は、「結婚」「妊娠」「夫婦の和解」「進学」「子供の結婚」「個人的な成功」「長期休暇」など一見おめでたいことや、ポジティブだと思われるできごとも、強いストレスになっている場合があることです。本人としては「まさか、おめでたい出来事なんだから、今、ストレスなんて感じているわけがない」とますます「ストレス源」だと気づきにくくなります。嬉しいことでも悲しいことでも、「大きな環境変化」があればそれはストレスになり得る、ということをよく覚えていてください。
皮膚病はカラダとココロからのメッセージであることもあります。そんなときは、そのメッセージに少しだけでも良いので耳を傾けてみてください。