あやし皮膚科クリニック病院だより

第164回『危険なじんましんのサインとは!?』

こんにちは、理事長の工藤です。

前号では、「ストレスで皮膚病は悪化・発症する」についてお話ししました。

今回は「危険なじんましんのサインとは!?」のお話をします。

■危険なじんましんのサインとは!?

あなたは蕁麻疹(じんましん)がでたことはありますか?

ある日突然、からだのあちこちがムズムズしてきます。

 

気が付くと、かゆみがでて、皮膚には蚊に刺されたような赤いぶつぶつが・・・。

それがどんどん広がって、まるで赤い地図のようなカタチになり、かゆくてひっかいたところは盛り上がってミミズ腫れになる・・・・。

・・・じんましんの症状はだいたいこんな感じです。

 

じんましんは、からだ中に広範囲にわたってでることも少なくありませんし、見た目も真っ赤で派手です。

しかもかゆみがひどい場合、夜も寝られません。

 

私も、じんましんで全身がかゆくなりひと晩の間、一睡もできなかった経験があるのでよくわかります。

なので多くの患者さんは、とてもあわてて、来院されます。しかし、ほとんどの場合、その派手な見た目とかゆみとは裏腹に、それほど危険はありません。比較的軽くおわる方が多いです。ですので、一般的に思われているよりは、あまり心配しなくて大丈夫です。

ただし、重症の場合は話が違ってきます。

重症の場合、のどにもじんましんが出てしまいます。

そうすると、はじめはのどがイガイガする程度なのですがさらに悪化すると徐々にのどが腫れて空気の通り道がせまくなるため、呼吸が苦しくなります。こうなると窒息の危険があります。すぐに病院へ向かってください。

 

また、じんましんによって全身の血管が広がってしまい、血圧が急激に下がったりすることもあります。

これもいわゆるショック状態であり、非常に危険です。すぐに医療機関を受診するか救急車を呼ぶ必要があります。

 

■自宅でできる、じんましんの見分け方

よく、湿疹が出ている方が「じんましんが出てしまって」と来院されます。

また、「かゆい湿疹が出ていたのに、診察室で順番を待っている間に、消えてなくなってしまった」というお話もよく聞きます。

 

さて、じんましんの見分け方ですが、「ひとつの場所にでた赤みが、数時間で一度消えてしまう」のが、じんましんの最大の特徴です。

実際は、数時間ではなく、1日から2日かかって消える場合もあります。

「湿疹」など他の病気は、一旦皮膚に症状がでたら数時間や半日程度で消えてしまうことはまずありません。

ですので、「さっきまで出ていたが待合室で待っている間に消えてしまった」「夕方から夜にかけて出るが、翌朝にはすっかり消えてしまう」「朝起きてすぐ出るが、お昼にはあとかたもなく消える」などという場合は、その話だけで、ほぼ「じんましん」だと診断がつきます。