こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「ストレスで皮膚病は悪化・発症する」についてお話ししました。
今回は、その続きのお話をします。
■まずは「ストレスがある」ことを自覚しましょう!
明らかにストレスが原因で皮膚病が悪化している患者さんに「何かストレスや疲れがありますか?」と聞いたときに、キョトンとした感じで、「えっ、何もストレスなんかないですけど」という方も少なくありません。 ストレスがあることを自分で認識できていないため正直、ちょっと心配になります。
皮膚(からだ)は明らかに「ストレスがたまっているよ!」と教えてくれているのですが、本人に自覚がありません。すると、本人は「まだまだ大丈夫!」とさらにストレスがたまる方向へ行動を増してしまう危険があります。
皮膚の病気は発症すると「厄介なもの」と考えがちです。しかし、それが大事なカラダやココロからのメッセージである場合もあります。 例えば、糖尿病やコレステロールなど検査しなければわかりにくい病気と比べると「皮膚の病気」は目でみえます。ですので、もし、皮膚の病気がでたらそれは、カラダが「わかりやすいかたち」で「あなた、疲れていますよ」と、メッセージをくれているのかもしれません。 ストレスのサインが「皮膚病」として出ているのに、それを無視すると、皮膚の症状はさらに悪化してしまうかもしれません。
ちなみに、「どんな出来事がどれだけ強いストレスになるか」ということを調査し、点数化したアメリカの研究があります。 この論文によると、第1位:配偶者の死=100点第2位:離婚 =73点第3位:夫婦別居 =65点で、いずれも夫婦関係です。 他の研究でも、「夫婦関係と健康」はとても密接に関連していることがわかっています。
さらに注意すべき点は、「結婚」「妊娠」「夫婦の和解」「進学」「子供の結婚」「個人的な成功」「長期休暇」など一見おめでたいことや、ポジティブだと思われるできごとも、強いストレスになっている場合があることです。 本人としては「まさか、おめでたい出来事なんだから、 今、ストレスなんて感じているわけがない」とますます「ストレス源」だと気づきにくくなります。
嬉しいことでも悲しいことでも、「大きな環境変化」があればそれはストレスになり得る、ということをよく覚えていてください。
皮膚病はあたたのカラダとココロからのメッセージであることもあります。 そんなときは、そのメッセージに少しだけでも良いので耳を傾けてみてください。