こんにちは、理事長の工藤です。
前号では、「かゆくても掻いてはダメな理由」についてお話ししました。
今回は、「うちの子、耳の下がくり返し切れるんです」というお話をします。
■「耳の下がくり返し切れるんです」
乾燥肌やアトピーのお子さんに圧倒的に多い相談のひとつに、「耳の下の部分が切れるんです」「そこだけ繰り返し湿疹がでるんです」「耳の付け根の部分だけいつもじくじくしています」という訴えがあります。これは俗に「耳切れ」と呼ばれる症状です。もちろん、小児だけでなく、成人のアトピーや乾燥肌の方でもこの症状が出てくる方もたまにいます。ただ、やはり一番多いのは、幼稚園から小学校くらいまでのお子さんです。治療としては、ステロイドのお薬を塗るとすぐに治ります。それで「めでたしめでたし」となる場合は良いのですが、ときに何度も何度もくり返し、なかなか治らないお子さんもいます。では、くり返す耳切れの原因とは何でしょうか?
■繰り返す「耳切れ」の原因とは?
原因は大きく2つあります。1つ目は、汚れや汗の付着です。「耳切れ」は、男児女児でいうと男児に多いです。これはおそらく男の子の方が活発だからでしょう。また、赤ちゃんなども、ここに汗などの汚れが残りやすいです。また、大人の方の場合は、シャンプーなどの洗い残しが、この部分にたまることもあります。なので、お風呂に入ったときに、この耳の下の部分も、少し丁寧に石鹸で洗い流すことが重要です。ただし、石鹸で洗い流しただけだと、その後に乾燥して、余計に切れやすくなってしまいます。なので、洗ったあとの保湿ケアが必須です。耳の下に少し多めに保湿剤を塗ってあげましょう。ワセリン系の保湿剤(プロペト)は、皮膚の保護作用が高くオススメです。お風呂に入ったときだけでなく、普段からくり返し、多めの回数で保湿剤を塗ってあげるようにすると予防になります。 また意外な「耳切れ」の原因のひとつに「服の脱がせ方」があります。お子さんの服を脱がせるときに、下着をそのまま上にひっぱって脱がせると、そのとき、耳はどうなるでしょうか。ちょうど耳の下の部分に服がひっかかってしまい、耳たぶが下から上にひっぱられて擦れますよね。実は、これが耳切れの大きな原因と言われています。ですので、服を脱がせるときは、襟首の部分を横に広げて、耳にひっかからないようにして、さっと脱がせることがコツです。ママ達も忙しいですし、兄弟姉妹がいる場合は、なかなか脱がせ方までしっかり意識するのは大変だとは思います。ただ、実際これを意識するだけで、くり返す耳切れが「ピタッと」とまるお子さんもいます。あなたのお子さんが耳切れをくり返す場合は、是非、試してみてくださいね!