あやし皮膚科クリニック病院だより

第142回『あなたのシミは何のシミ?』

こんにちは、理事長の工藤です。

前号では、「乾燥肌は○○を見ればわかる」というお話をしました。今回は、「あなたのシミは何のシミ?」というお話をします。

そもそもあなたのシミは何のシミ?

まず、そもそも「シミ」と呼ばれるものには、何種類ものタイプがあります。

具体的には、 

 ・老人性色素斑 

 ・脂漏性角化症 

 ・雀卵斑 

 ・炎症後色素沈着 

 ・肝斑 

 ・後天性真皮メラノサイトーシス

・・・などです。

一種類のシミだけではなくて、何種類かのシミを同時に合併している人もいます。

・・・というよりも、むしろ、40代以上の女性であれば、複数のシミを合併していることがほとんど、と言っても良いくらいです。そして、このシミの種類によって、治療法が変わってきます。ということは、裏を返せば、同じ治療をしてみても、効くシミと、効かないシミがある、ということでもあります。ここでのよくある間違いは、「自分のシミのタイプを知らないままで、本来、全く効果がない治療法を続けていた」というパターンです。

要するに、全く見当違いの 

 ・化粧品

 ・シミ取りクリーム

 ・エステ

 ・病院からのお薬

 ・レーザー治療

 ・その他の美容医療

などを続けてしまっていた・・・というパターンですね。全く違うしみに対して、全く見当違いの治療をしていては効果がないのも当たり前です。ですので、「まずは自分のシミはどのシミなのか」を知ることが大事です。お近くの皮膚科を受診して「自分のシミは何なのか」を診断してもらうのも良いでしょう。それによって治療法が変わってきます。

 

 ■「老人性色素斑」の治療とは?

とはいえ、実際のところシミで比較的多いのは「老人性色素斑」と「肝斑」です。ですので、まずはここから解説していきましょう。まずは「老人性色素斑」です。これは頬、おでこ、あごなどどこにでもできます。だいたい1~3cm前後の楕円形の形になることが多いです。薄い茶色のものから、黒に近い濃いめのものまで様々です。原因として、

 ・加齢による皮膚の衰え

 ・若いころの紫外線の影響

 ・長年のスキンケア不足

 ・食事などによる栄養素の不足

などが考えられます。

治療はシンプルで「レーザー治療」です。ほとんどはレーザー1発で治ります。よほど濃いシミの場合、2~3回繰り返す必要がありますが、90%は1発で済みます。レーザー治療後カサブタができますので、治療後1~2週間は軟膏を塗ったり、テープを貼ったり・・・といった処置が必要になります。治療は1回で済みますが、完全に消えるまでは、3か月~半年程度かかります。 この間の期間は、レーザーを打った部分が勝手に薄くなっていくものなので、特に治療や処置は必要ありません。このシミはかなり治療が楽な部類に入ります。ただし、注意点としては、レーザー治療は美容治療に当たるので、保険適用外(自費診療)となることです。費用は大きさに比例して値段が高くなり、小さいほど安くなっていきます。

お近くの皮膚科を受診して相談してみてください。