あやし皮膚科クリニック病院だより

第120回 『保湿剤は3系統あるって知ってましたか?』

こんにちは、理事長の工藤です。前号では「あれ?コロナかな?と思ったら」についてお話ししました。今回は、「保湿剤は3系統あるって知ってましたか? 」という内容です。

■保湿剤は3系統あるって知ってましたか?

今日は、「塗り薬やクリームによる皮膚のバリア機能の回復」の実際についてお話します。保湿剤ですが、市販されているものと病院で処方されるものがあります。まず病院で処方されるものについてお話します。

病院で処方される保湿剤は主に以下の3系統に分かれます。

1.ワセリン系(白色ワセリン、プロペトなど)

2.尿素系(ウレパールなど)

3.ヘパリン類似物質系(ヒルドイドソフトなど)

です。 よく、「病院で保湿剤をもらったが合わなかった」という方も多いですが、実際はこの中の1系統しか使ったことがない方がほとんどです。なので、違う系統の保湿剤に変えるととても症状がよくなる方もいます。さらに、同じ系統の中にも、軟膏タイプ、さらさらローションタイプ、乳液状タイプ、クリームタイプ、スプレータイプ、泡タイプなど、色々なものがあります。この違いを「剤形(ざいけい)」と言います。病院からもらった保湿剤がイマイチだと感じる場合は、・他の系統の保湿剤に変えてみる・同じ系統の中で、異なる「剤形」の保湿剤に変えてみるということを、医師と相談してみることをオススメします。「この中のどれが一番よいのですか?」とよく聞かれますが、その方の肌質との相性や、ベタつき感、感覚的な好み、など個人差が大きいので一概には言えません。「色々と試してみて、自分に一番合うもの」を探すしかありません。ですので、1~2種類使っただけで「病院でもらう保湿剤は合わない」と判断しないほうがよいでしょう。

 

 ■ワセリン系保湿剤(白色ワセリン、プロペトなど)の特徴とは?

油脂性でややベタつきが強いのが特徴です。メリットとしては、油脂性なので膜状になって皮膚を保護する効果があります。これを「エモリエント効果」といいます。長所としては、もっとも皮膚に優しく、かぶれやアレルギーの心配が少ないです。ですので、赤ちゃんやお子さんにはもちろん、敏感肌の方にも一番安心です。デメリットとしては、べたつくので使い心地が悪い、と感じる方もいらっしゃいます。 

当院では、保湿剤のテスターを準備していますので、 お気軽にスタッフまでお声がけください。