あやし皮膚科クリニック病院だより

第105回「手あれ」ができる原因とは?

こんにちは、理事長の工藤です。

前号では「温泉に入りたくても入れない人」についてお話しました。今回は「手荒れができる原因とは?」についてお話します。

 「手あれ」はかなり大変です。手のカサカサ(乾燥)したり、、カピカピに硬くなったり(角化)、パックリひびが割れたり(亀裂)・・・・。さらに、刺激やアレルギーが加わると、ぶつぶつ水泡がでたり、湿疹になったります。そうなると、かゆかったり、痛かったり・・・とにかく大変です。 

これら手にあらわれる症状を総称して「手湿疹(てしっしん)」と呼びます。

このなかでも、指先から始まることが多く、乾燥やひび割れが主体の症状を「進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)」と言います。ひどい場合、指紋がわからなくなるくらいカサカサになることもあります。できやすい部位は、主に、利き手の、親指、人差し指、中指です。そこから範囲が徐々に拡大していくことも多いです。なかには、いつも同じ場所にだけ繰り返し手湿疹が出る、という方もいます。 手あれの原因は「皮膚のバリア機能の低下」+「外部からの刺激」で起こります。このポイントは「手荒れ」の治療に非常に大事なポイントなのでよく覚えておいてください。

 まず、「皮膚のバリア機能」について、お話しします。そもそも健康な皮膚には、皮脂や角層、常在菌といったものがあり、外からの刺激や有害なものが体内に侵入するのを防いでいます。これが「皮膚のバリア機能」です。ところが、水仕事などで手をよく使っている方ですと、皮脂が洗い流されてしまい、そのバリア機能が壊れてしまいます。頻繁に手洗いをする職業、たとえば美容師、飲食店員、看護師などの医療従事者、などがなりやすいのはそのためです。また、頻繁に水仕事をする主婦、おむつ交換の度に消毒や手洗いをする子育てママなども手湿疹になりやすいです。 

しかし、同じ生活をしていても手があれる人と荒れない人がいますよね?美容師さんや看護師さんでも手があれない人もいます。主婦の方や子育てママだって全員が手湿疹になっているわけではありません。これは、どうやら「もともとの肌質」も関係しているようです。例えば、小さい頃アトピー性皮膚炎だった方や、そこまでいかなくても、そもそもの肌質が「乾燥肌傾向」の方に起こりやすいです。かさかさ乾燥したり、湿疹が出ている方は、すでに水分や油分が失われやすいので皮膚バリア機能が低下しています。

なので、手あれが起こるかどうかの一つ目の要因は肌が丈夫かどうかという「もともとの体質的な側面もある」、ということです。 

長くなったので、次号で続きを詳しくお話しますね。